故人に和服を着させて納棺する場合は、左前に着せます。では、葬儀に際して喪服を着て参列する場合には、どのように着たらよいか迷ってしまうことはないでしょうか。結論から言うと、亡くなった方のみ男女を問わず、左手が懐に入るような着せ方をします。
日本では、古来から左側を上位の側としてみなすのがマナーとされていたので、故人を敬う意味で左前にさせているのではないかと伝えられています。ですから、遺族や親族、参列する方は普段の通りの右前の着方で構いません。
男女に関係なく、生きている方が左前で着用すると、縁起が悪いと言われて忌み嫌われることになります。着慣れない方はどちらでも構わないのではとか、着やすい方で良いのではと考える方もいますが、マナーを知らないとあきれられたり、注意をされたりして恥をかくことになりますので、十分注意してください。
現代では、着物に親しんでいる方でなければ、喪服に着物を利用するのは、故人の母親や娘などの親しい女性の親族のみとなっていることがほとんどです。夏季などの暑い時期や、家族葬や密葬などの遺族や近い身内だけで執り行う式の場合は、洋装で行うこともあります。
和装になれない方のために、葬儀社では喪服のレンタルや着付けサービスをしている所もあります。自分で着用する自信がない場合は、葬儀社の方と相談してサービスを利用するようにするといいでしょう。右前の場合、どちらから見て前なのかと混乱してしまう方もいます。
前とは自分の側から見て手前側という意味になります。着物はワンピースのように一続きになっていて、襟から身頃にかけて前で打ち合わせをし、帯で結んで丈を調節すると考えると分かりやすいでしょう。つまり、打ち合わせる際に、右側の身頃を手前にして自分の体にのせて、その上に左側の身頃をのせるようにすれば、間違いにくいです。
その他、右手を懐に入れやすい、対面したから見ると襟が英文字のyの字の形になっているのが右前となりますので、覚えておくといいでしょう。
(参考情報)
海上保安官桜井の葬儀Q&A
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